MOBIO入居企業・常設展示場出展企業のスペシャルインタビュー

ものづくり中小企業の変革と挑戦を支援しているMOBIOでは、MOBIO 常設展示場出展企業様・インキュベートルームの入居企業様の「 変革と挑戦 」について、取り組みのきっかけ(背景)、 具体的な内容などをインタビューしご紹介していきます。ここにはヒントが沢山詰まっているはずです。 じっくりお読みください!

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「創意工夫」を合言葉に、世界14ヶ国に技術を輸出

テクノロール株式会社 代表取締役会長兼社長 西脇 宏 氏

テクノロール株式会社
代表取締役会長兼社長 西脇 宏 氏

会社名テクノロール株式会社
住所〒594-1144 大阪府和泉市テクノステージ3丁目4-5
電話番号0725-53-3933
代表者名代表取締役会長兼社長 西脇 宏 氏
設立1980年(昭和55年)
事業内容印刷用ゴムロール及び関連資材の製造・販売、印刷機械周辺機器や各種産業用自動ゴミ除去、システムの開発・設計・製造・販売

「下請けになるべからず」の思いで、オフセット印刷の過渡期に飛躍

▲業界常識の合成ゴムではなく特殊樹脂のロール(トラスト)により優れた印刷適性を実現

テクノロールの創業は1980年。すでに印刷用ゴムロールのメーカーで、約20年にわたって技術者としてのキャリアを築いていた西脇氏の名前は、業界に広く知れ渡っていた。最初の製造販売品目は、米国ジョーマック社と技術提携した高級印刷樹脂ロール「ライノロール」。ちょうどオフセット印刷が、モルトン(断続給水)方式から連続給水方式へと移行する過渡期であり、同製品が新方式に適していたため全国から引き合いがあったという。

創業当時から一貫しているのは、「下請けになるべからず」という思いだ。
「えてして零細中小企業は、大口注文を出してくれる特定のクライアントに依存する下請け体質に陥って、自社の成長を妨げてしまいがちです。だからうちはどこからも制約を受けないで、品質を頼りに独自の販売チャンネルを構築しようと努力してきました」。

大手家電メーカーがカラーコピー機製造に乗り出したある時期には、そのパーツの開発と製造を打診されたこともある。普通の中小企業なら、「安定」という魅力になびいてもおかしくないところだが、西脇氏は違った。「開発段階だけならまだしも、本製造まで受注してしまったら、量産に追われて既存のお客様に迷惑をかけることになるし、たびたびの設計変更に振り回されかねない」と判断して断ったという。

「ゴムロールは化学屋の領域」そんな既成概念を覆す製品サービスを

▲各種ローラ・ベルト自動洗浄装置回転体を洗浄する危険作業を自動化し機械の停止期間を大幅短縮

創業以来ずっと右肩上がりの成長を続けてきた同社。リーマンショック直後は売り上げが一時的に落ちたこともあったが、緊縮策や拡販の手を打って、すばやいV字回復を果たしたという。その底力を支えているのは、異分野の技術が連携して生まれる「課題解決力」だ。

「ふつうゴムロールというと化学の技術者の仕事だと思われがちですが、化学屋の力でいいゴムロールを作るだけではダメなんです。そのロールを使った機械装置や、それを制御するコンピュータ技術、メンテナンス技術まで自社で開発できて初めて、お客様の悩みを解決できる提案ができる。だからうちは化学の技術者だけでなく、機械設計、電気コンピューター、メンテナンスといった異分野の技術者が連携しながら働いています。中小企業でこれを実践しているところはまだまだ少数です」。

「品質こそ命綱」と信じ、未来に向けた創意工夫に全社で取り組む

▲独自開発の超粘着性ゴム「クリーンダッシュ」を応用した自動ゴミ除去装置システム。

フレキシブルな開発姿勢で、印刷分野にとどまることなく独自の製品ラインナップを増やし、現在は世界14ヶ国に技術を輸出している同社。これまでに「大阪ものづくり優良企業賞」など多数の表彰を受賞している。「品質第一」を掲げる同社の製品は、価格競争とは無縁の独自スタンスで歩んできた。

西脇氏が社員に繰り返し言い続けているのは「創意工夫」だ。異業種の製造業買収や、定年制の廃止など、未来を見据えた成長戦略にも次々と着手している。2014年には、大阪本社と関東支社に最新の印刷機を導入。自社内で新製品評価テストを行えるようにし、さらなる品質改善のスピードアップを図る。提携先14ヶ国のパートナーを自社工場に招き、技術交流を深める「ライセンシーミーティング」も予定している。
「今までにない製品やサービスを送り出す」ことを夢見る技術者魂は、とどまることを知らない。

MOBIO担当者より

印刷業界で知名度の高い西脇社長の経営軸は品質第一という固い信念。さらに、ユーザーからの悩みを素直に聞き、その解決に創意工夫することが下請けにならない秘訣との思い。枠にとらわれない解決策提案で、西脇社長は世界展開も進めておられました。(兒玉)

取材日:2014年4月21日(月) ライター:松本 幸