ものづくり中小企業の変革と挑戦を支援しているMOBIOでは、MOBIO 常設展示場出展企業様・インキュベートルームの入居企業様の「 変革と挑戦 」について、取り組みのきっかけ(背景)、 具体的な内容などをインタビューしご紹介していきます。ここにはヒントが沢山詰まっているはずです。 じっくりお読みください!
pick up company 065
“ないものを作る精神”で、新しくそして驚きのある看板広告を世の中へ!
株式会社R&B company 代表取締役 高山 幸治氏
会社名 | 株式会社R&B company |
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住所 | 大阪府大阪市平野区加美北7-4-20 |
電話番号 | 06-6795-0501 |
代表者名 | 代表取締役 高山 幸治氏 |
設立 | 2000年 |
事業内容 | 人工大理石切り文字・塗装、LED発光文字、各種看板・サイン・希彩販売 |
企画から製作・塗装までの一貫体制と独自技術で、オリジナリティあふれる看板広告を製作
代表取締役高山 幸治氏は、1995年に独立し創業。2000年の法人化以降、常に業界でも革新的なサービスやものづくり手法の開発を進めてきた株式会社R&B company。現在、看板広告の企画から、デザイン、製作・施工までワンストップな事業を展開するまでに進化している。
人工大理石・アクリル素材の質感を重視し、ハイクオリティな加工技術を駆使した立体物や看板広告といった製品を生み出している。さらには人工大理石とアクリルを組み合わせた造形物や、UVプリントを施した造形物にLED装置を組み込み、発光させるという技術を持っている。この業界では珍しく塗装技術も備えていることも同社ならではだ。
「自然の風合いが美しい人工大理石は、その見た目の美しさだけでなく、加工性や着色性にも優れるという特徴があります。その良い点を活かして、当社では切削加工でなめらかな加工を行い、ソリッド塗装やメタリック塗装、パール塗装等お客様のニーズに合わせた多彩な塗装を行える技術があります。さらに、当社の看板広告における、樹脂・人工大理石の発光技術は、特許出願もしている優れた技術です」と高山氏。特許出願中の発光技術は、人工大理石という材質を知る高山氏だからこそ、生み出されたもので、正面発光・側面発光・背面発光・全面発光等造形と光を使って、効果的な演出を行うことができると顧客からも高く評価されている。また塗装技術を駆使した製品は、現在「希彩(ねいろ)」というブランド名で売り出され、多方面から引き合いがあるという。顧客として、大手飲食チェーンの店頭用看板などにも広がっている。
何もないところから、新しい素材、新しい手法を使ったまだ世にない看板広告づくりにチャレンジ
「当社が人工大理石を使い、現在のものづくりをするようになった転換点は、お付き合いのあった富山県の材料屋さんがその事業を辞める事になり、在庫の人工大理石素材を大量に引き取ったことも大きかったように思います。そこから色んな試作をはじめ、加工技術や塗装技術を磨き、次々と多様な製品づくりをするようになりました」
5年ほど前に従来のプリントによる看板広告だけでなく、造形物を使った看板広告を作れないかと模索していた中、加工性と着色性に優れる人工大理石素材に着目。そして素材を扱う事業者との出会いが、同社の今につながったという。
とはいえ当初は、切削加工を行う技術も知識も何もない状態。まさに何もない状態から、切削加工設備(CNCルーター)やアクリルレーザー加工機、そして塗装設備も高山氏自らが探して整え、切削などの加工技術も、一つひとつ身につけながら、製品づくりを行った結果、人工大理石という素材の特性や加工方法に関する知識は深まり、形状だけでなく、人工大理石+UVプリント、人工大理石+蛍光塗装といった手法も次々と開拓していく。
また人工大理石の加工のしやすさを活かしつつ面取り加工をし、メタリック塗装やパール塗装等多彩な塗装ができるよう、自動車用の塗装設備と環境を整えた。こうした数々のチャレンジが奏功して、同社独自の看板広告が完成したのだった。
常に変化する世の中に対応するため、世の中にない製品づくりに、チャレンジし続ける
様々な独自製品を生み出す中で、高山氏は、若手社員の技術力と意識を高めることにも取り組んだ。その方法論とは、想像してみてできることや、今よりあと少し努力すればできそうな、一つか二つ上の目標やテーマを技術者に提示し、後は期限をしっかり決めて、本人に考えさせるというもの。そうすることで、自分達で加工方法を考えたり、社員自らアイデアを出してくることが増えてきたという。そこには、同じことばかりをしていると、技術者として向上しないという持論も込められている。もちろん高山氏自らも新しいものをつくり、若手に率先垂範という形で実践してみせたことも技術者の成長につながった。こうした地道な活動により、同社全体の独自性ある技術力は、磨かれていった。
これからの目標としているのは、「まだ業界や世の中にないものを作る」ということ。
「今の手法でずっと良いとは思っていません。まだまだ新しい手法にもチャレンジしたいし、他では作ってないものを作っていきたいと考えています。私は、その技術や製品ができてしまった時点で、おもしろくなくなってしまう性分なので、すぐ新しいものにチャレンジしてしまうんですね。今後も、何か人とは違うものを作っていく姿勢でやっていきたいですね」と笑顔で語る、高山氏が次に生み出すものに、期待が高まる。
取材日:2018年12月4日(火) ライター:北川学(文士舎)
MOBIO担当者より
アミューズメントの世界に紛れ込んだかのような、錯覚を起こしてしまうくらいの造形物が並ぶ社内。塗装工場は車の塗装が可能なくらいの設備と、あらゆるオーダーに対応できるペイント缶の数々。ペイントが固まらないようにと細やかな配慮には、より良いものづくりへのこだわりが感じとられる。まだまだ着地点に到達していないかのように弛まないチャレンジを続けておられる高山社長と士気の高い若い社員様達でした。(村井)