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ものづくり企業の次の一手は? 毎号6つの旬な記事で熱い「変革と挑戦」を紹介するモビロク。
現状打破のヒントやモチベーションアップにつながります。

画期的なエコ装置がめっき業を環境配慮型経営に変える。

かつて3Kと呼ばれた製造業の中でも、環境に関して多くの課題を抱えていためっき業界だが、現在はずいぶん様変わりした。たとえば主流であった六価クロムが環境と人体に害を及ぼすことが明らかになり、作業性・安全性・環境問題に関して大きな優位性がある三価クロムへの移行が盛んにおこなわれている。木田精工も2003年から三価クロムにシフトしてきた。同社は1977年、創業者である木田潔代表取締役が東大阪の貸工場でめっき装置の修理からスタートし、2年目から自動めっき装置の生産を開始。移転拡張を重ねて現在は創業の地に戻り、1,700坪の敷地で装置の設計・製造をする会社へと成長を遂げた。環境とめっきの問題を一気に解決する同社の画期的な製品が、「無排水めっき処理システム」だ。
従来の亜鉛めっき処理の現場では、品質のバラツキや環境に問題のある薬品の使用、危険を伴う作業や装置工場の腐食環境などが問題となっていた。この装置はろ過・排水処理と水・薬品・金属の資源回収・再利用ができるシステムで、これらの問題を解決した上で、排水設備の維持管理や排水処理費、薬品を削減して劇的なコストダウンを可能にする。脱脂・酸洗の前処理工程から、設定された電流によってめっきの厚みをコントロールし、三価クロム・ノンクロムなどの被膜処理や乾燥といった後処理工程までを一貫しておこなう。また薬液の補給装置や分析装置が一体化しているため、経験がない人でも容易に扱える。これまでめっき装置から排出される大量の排水には水質規制があり、装置を設置できるのは特定の地域だけに限られてきたが、同システムは「排水ゼロ」を実現しているため、設置場所の制限もない。
「めっき処理後の汚れた水をきれいにして戻す、だから工場内から一切排水しないんです。不純物を吸着させるフィルターは、カートリッジ方式で持ち帰って再生します」。全盛期には大阪では約600社あっためっき業者も、現在は220社ほどに減少。「海外進出した企業は現地で装置を調達することが多いのですが、めっきの装置だけは未だオールジャパン。それだけ調整が難しい。ものづくりの世界で欠かすことのできない技術なのに、今は本当の意味での技術者が少ない。だからこの装置が求められるんです」。2009年の販売から自動車部品・半導体・航空機関係・弱電機などのメーカー、めっき専業者など累計約1,200台の豊富な納入実績がその現実を物語る。
取引先は国内メーカーだが、グローバル展開が進んでおり、米国や中国、インドネシア、タイなどの拠点にも販売する。設備と同時にめっき加工事業も展開し、現在では亜鉛めっき装置の国内シェアをほぼ独占。そして長年培ってきた設備の製造ノウハウや技術を活用し、鉄の素材に超高耐食性を付加する「ステンめっき」加工を世界で初めて提供。ステンレス素材の代替製品として、自動車関連や太陽光発電部材など住宅関連で販路を拡大している。創業者の木田潔氏にとって心強いのは、社内各部門で活躍する3人の息子の存在だ。彼らにとって父親は教科書。めっき業界の在り方を変えるためものづくりにいそしむ姿や、力強い言葉に学ぶ。それが同社の明日を切り拓く礎となっている。

木田精工株式会社
http://www.kidaseiko.co.jp/
東大阪市宝町13-26 TEL 072-982-4636

「川をきれいに! 地球にやさしく! 」のキャッチフレーズにふさわしい、「無排水めっき処理システム・プレリュードⅡ」

長男・貴文氏(中央)は専務取締役、次男・裕文氏(左)はジンガー事業部部長、三男・賀文氏(右)は設計課と、それぞれの部署で活躍する。その背景には、同社の業績を如実に語る特許の数々

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