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ものづくり企業発見!企業インタビュー

中小企業総合展2013 in Kansai 出展企業の紹介

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展示会後にソリューション提案ができ、新たな顧客を獲得

三元ラセン管工業株式会社 営業部長 高橋 浩 氏

三元ラセン管工業株式会社
営業部長 高橋 浩 氏

展示会で説明用に使用したカラフルなベローズを手にする高橋氏。「専門展より幅広い層が訪れる総合展は、弊社の主力商品と会社をPRするよい機会になりました」。

会社名三元ラセン管工業株式会社
住所〒536-0022
大阪府大阪市城東区永田1丁目2番37号
電話番号06-6968-2037
代表者名代表取締役 高嶋博
設立1974年(昭和49年)
事業内容ベローズ
フレキシブルチューブ
ロングフレキシブルチューブ

金型コストを削減する独自の加工技術で新たなビジネスモデルを構築

中小企業総合展の展示写真

フレキシブルチューブとベローズの設計・製造専門の三元ラセン管工業。ベローズとは、液体や気体等の流体を扱う配管のひとつで、蛇腹構造になった伸縮管や伸縮管継手のこと。身近な製造工場から原子力発電所や宇宙空間に至るまで幅広い分野で使われている金属部品で、製造を手がける同業者は多い。

しかし同社のベローズは、他社には真似のできないオンリーワンの強みを持っている。それが、同社独自の深絞り加工技術だ。一般に成形ベローズは、径サイズと長さが変わるごとに金型製造が必要となり初期コストがかかるのだが、同社では工場にストックされている金型を組み合わせる特殊な製法を駆使することで、この型代を不要としている。ゆえに、ベローズの径サイズや材質が変わっても新たな型代の費用がかからず、ごく少量のオーダーメイド発注にも短納期で対応が可能。顧客は金型コストが削減され、同社は量産品よりも利益率が高い価格設定ができる、“三方よし”のビジネスモデルが展開できるわけだ。
これをターゲット層に直接情報伝達するために、同社では早くからインターネットを活用した企業情報の発信、注文受注などのしくみを整備してきた。Webの普及にともない、同社のサービスは次第に研究機関や製造企業の間で知られるところとなり、今では大手企業や官公庁と直取引ができるものづくり企業となった。市場に価格を決定される立場の弱い製造卸業から脱却することに成功した同社の取り組みは、ものづくり中小企業の成功事例として多くのマスコミ媒体で報道され、いまや知名度は全国区。IT経営実践認定企業、IT経営百選、デル・スモールビジネス賞、関西IT百撰、大阪市きらめき企業賞など、ITを駆使して卓越した経営を実践する企業に送られる数々の賞を受賞している。

MOBIOの勉強会が展示スキルを高める良い機会に

ベローズ

同社ではITと同じくらい重要な情報発信媒体として、展示会を重視してきた。「機械要素技術展」は2004年に初出展して以来参加を続けており、「中小企業総合展」には2010年に1度参加した実績がある。今回、MOBIOの誘いで同総合展に参加することにした理由を高橋氏は、「専門展と違い幅広い層の来場者がある展示会なので、どんな効果があるか見てみたかったからです」と説明する。「弊社のベローズを実際に手にとって商品特性を理解してもらい、同時に会社のこともPRできたらというのが出展の狙いです」。

そこで今回、メインの展示物として選んだのが板厚0.1mmから0.5mmの「薄肉」で、最大4層まで積層できる「多層」のベローズである。同社のコア・コンピタンスともいうべき製品だけに、薄肉のステンレスが4層重なった板が蛇腹状に加工されていることを、できるだけわかりやすく実物展示したいのだが、これが簡単ではない。

これまでの展示会で使っていたのは、ベローズ本体の上部に成形加工前の4層金属板素材を茶筒状にして載せ、各層の重なりがわかるように1層ずつ順に高低差をつけて切り剝がしたものだった。しかし、0.1mmという薄さだけに、ぱっと見ただけでは1枚板に見えてしまい、多層構造というのがイメージしにくい。そこで今回は、4層それぞれにグラデーションの色をつけて、4枚板が積層されていることを視覚化した。また、展示台後方の製品も見えやすいように、透明アクリル棚を使って立体的に展示する手法も取り入れた。

「今回の展示プランづくりでは、MOBIOさんが勉強会を開催してくれて、たいへん参考になりました」と高橋氏は満足げに語る。「デザイナーの先生がツボを押さえたアドバイスをくださり、パネルのコピー表現やわかりやすい展示手法などを習得する良い機会になりました。一緒に出展した10社の方々とは“展示会仲間”という意識が生まれ、今後の仕事にも役立つ良いつながりができました」。

展示用の透明アクリル棚や金属板のグラデーションカラー塗装は、MOBIOに出展参加している企業にお願いして製作してもらった。こうした横のつながりもMOBIOの強み。

次回は商品特性がわかる、“動き”のある展示構成で臨みたい

お客様の工場に提案したフレキシブルチューブ。柔らかさと強度を併せ持っている。

幅広い層が訪れる総合展だけに、ベローズに対する来場者の反応は興味深いものがあった。「これ何ですか?」といった質問が多く、高橋氏が製品の用途と特長、4枚積層でこの柔らかさがあることを説明し実物に触ってもらうと、大半の人は「おー!すごい」と感心してくれたという。
3日間の出展期間中に、名刺交換をした企業は80社。「そのうちの1社からは注文までもらい、すでに納品も済ませました」とその成果を語る高橋氏。「高温の蒸気を吹き付けるフレキシブルな金属配管を使っている製造工場様だったのですが、その金属配管の劣化が早く、1週間ごとに交換を繰り返していたそうです。製造現場を拝見すると、伸縮にねじれが加わっていたために劣化が早いことがわかりました。とりあえず弊社の製品の中でも、柔らかくて強度もあるフレキシブルチューブを納入して、どれくらいの耐久期間があるか検証してもらうことにしました」。餅は餅屋というように、ベローズとフレキシブルチューブの専門企業として面目躍如たるソリューション営業ができたようだ。

「次回もお誘いがあれば、ぜひ出展したい」と高橋氏は前向きだ。「ネット上ではベローズをはじめとする弊社の主力商品を多数PRしていますが、バーチャルの世界では製品のリアルな感触はわかりません。やはり実物を触ってもらうことが大事だと、今回の展示会を通じて改めて実感しました。社内には耐久性テストのためにベローズを繰り返し動かす装置があるので、次回はそういう装置を使って、“動き”のある展示ができたらと考えています」。

 取材日:2013年7月3日(水)  ライター:三浪伸夫

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