主な違反指導事件(抜粋)

平成21 年度における主な指導事件

第1 製造委託及び修理委託関係

1. 受領拒否(第4条第1項第1号)

業種(注) 概要
非鉄金属製造業 電線の製造を下請事業者に委託しているA社は,取引先から納期を延期されたことを理由に,あらかじめ定められた納期に下請事業者の給付を受領しなかった。

2. 下請代金の支払遅延(第4条第1項第2号)

機械器具小売業 自動車の修理を下請事業者に委託しているB社は,一部の下請取引において,自社が事務処理を行っていなかったこと又は下請事業者からの請求書の提出が遅れたことを理由に,下請事業者の給付を受領しているにもかかわらず,あらかじめ定められた支払期日を超えて下請代金を支払っていた。

3. 下請代金の減額(第4条第1項第3号)

その他の製造業 鍵等の製造を下請事業者に委託しているC社は,一部の下請事業者に対し,支払うべき下請代金の額から「歩引き」と称して下請代金の額に一定率を乗じて得た額を差し引くことにより,下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じていた。

4. 返品(第4条第1項第4号)

その他の卸売業 医療用品の製造を下請事業者に委託しているD社は,小売店等の販売先から返品があったことを理由に,下請事業者の給付を受領した後に返品をしていた。

5. 買いたたき(第4条第1項第5号)

化学工業 電気工具・機械の修理等を下請事業者に委託しているE社は,一部の下請事業者と十分な協議を行わず,自社の予算単価を基準として一方的に下請代金の額を引き下げて定めていた。

6. 購入・利用強制(第4条第1項第6号)

機械器具小売業 自動車の修理を下請事業者に委託しているF社は,発注担当者を通じて,下請事業者に対し,自社が提供する点検整備等の利用を要請していた。

7. 有償支給原材料等の対価の早期相殺

織物・衣服・身の回り品小売業 衣料品等の製造を下請事業者に委託しているG社は,下請事業者に対し,有償で原材料を支給しているが,製造加工して納品するまでの期間を考慮せずに,下請代金の支払制度と有償支給原材料の対価の決済制度を同一にしていたことから,当該原材料を用いた給付に係る下請代金の支払期日より早い時期に,支払うべき下請代金の額から当該原材料の対価を控除していた。

8. 割引困難な手形の交付(第4条第2項第2号)

電気機械器具製造業 制御装置等の製造を下請事業者に委託しているH社は,一部の下請事業者に対し,手形期間が120 日(繊維業以外の業種において認められる手形期間)を超える(150 日)手形を交付していた。

9. 不当な経済上の利益の提供要請(第4条第2項第3号)

輸送用機械器具製造業 自動車部品の製造を下請事業者に委託しているI社は,下請事業者に対し,自社が所有する金型を貸与しているところ,当該部品の製造を大量に発注する時期を終えた後,当該部品の発注を長期間行わないにもかかわらず,無償で金型を保管させていた。

10. 不当な給付内容の変更・不当なやり直し(第4条第2項第4号)

機械器具卸売業 工作機械の修理を下請事業者に委託しているJ社は,下請事業者に対し,下請事業者の責めに帰すべき理由がなく発注内容を変更したにもかかわらず,それによって生じた費用の一部を負担させていた。
第2情報成果物作成委託及び役務提供委託関係

1. 下請代金の支払遅延(第4条第1項第2号)

道路貨物運送業 貨物運送を下請事業者に委託しているa社は,一部の下請事業者に対し,「毎月末日締切,翌々月10 日支払」の支払制度を採っているため,下請事業者による役務の提供を受けてから60 日を超えて下請代金を支払っていた。

2.下請代金の減額(第4条第1項第3号)

水運業 貨物運送を下請事業者に委託しているb社は,一部の下請事業者に対し,支払うべき下請代金の額から「協力値引き」等と称して下請代金の額に一定率を乗じて得た額を差し引くことにより,下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じていた。

3. 買いたたき(第4条第1項第5号)

道路貨物運送業 貨物運送を下請事業者に委託しているc社は,下請事業者に対し,従来の下請代金の額よりも引き下げた額を提示しなければ,従来よりも発注数量を減らすことを示唆することにより,下請事業者と十分な協議を行わず,一方的に下請代金の額を定めていた。

4. 購入・利用強制(第4条第1項第6号)

不動産賃貸業・管理業 ビル,マンション等集合住宅の管理業務を下請事業者に委託しているd社は,発注担当者を通じて,下請事業者に対し,イベントのチケットの購入を要請していた。

5. 不当な給付内容の変更・不当なやり直し(第4条第2項第4号)

道路貨物運送業 貨物運送を下請事業者に委託しているe社は,下請事業者に対し,荷主からの発注内容が変更されたことを理由に発注内容を変更したにもかかわらず,それによって生じた費用の全額を負担させていた。

(注)「業種」は日本標準産業分類中分類による。
出典:公正取引委員会HP
「平成21年度における下請法の運用状況及び企業間取引の公正化への取組(概要)」(5/19)

× Close