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ものづくり企業の次の一手は? 毎号6つの旬な記事で熱い「変革と挑戦」を紹介するモビロク。
現状打破のヒントやモチベーションアップにつながります。

伝統的工芸品から
アパレルまで桐の可能性を
追求して事業拡大。

レバーを引くとシャーという心地よい音がして、下の引き出しに一合の米が落ちる桐製一合計量米びつ。きっちり一合ずつ計れて、米をつぶさない構造になっている

成木まで成長の早い桐は、Co2の吸収固定が早い木。この桐の植林、伐採を繰り返しサスティナブル&カーボンニュートラルな活動にも参加

一生ものの桐箪笥。岸和田はこの伝統的工芸品の産地として知られ、大正元年から100年以上この地で桐箪笥をつくり続けてきた留河。しかし近年、桐箪笥の需要が右肩下がりで減り続けるなか、留河昇代表取締役は桐を使った製品や桐箪笥のリフォームなどに手を広げてきた。また伝統的技術を生かし、新たに「桐製一合米びつ」を開発、2019年に大阪製ブランドの認定を受けた。この商品は地元自治体のふるさと納税の返礼品にもなり、人気を集め同社の売上の約半分を占めるほどに成長した。
しかしアイデアマンの留河氏は現状に満足せず、桐の特性を生かした新規事業を次々と立ち上げている。まず桐箪笥の防虫・調湿機能から、「中に入れているものを守る」ことを拡大して考案されたのが壁紙。和紙を抄紙する(紙にすること)際に桐の木をパウダーにして練りこみ、桐和紙にした防虫調湿シートを開発。そのシートに難燃加工を施した「桐の壁紙」で、国土交通大臣の準不燃材料の認定も取得。こうして建材業界へ進出したところ、長年交流のあるアパレル会社の会長から「糸にすればもっと可能性が広がる」と助言された。そこで桐和紙を切ってスリット状にしたものを、こよりにして「桐糸」に。桐の特性である調湿、防虫、抗菌、消臭、速乾の機能をそのまま持つ糸で、メガネがくもりにくい「桐糸マスク」を開発した。
こうした展開をおこなう中で、桐の植林活動をおこなう会社から桐の加工依頼があった。成木までの成長の早い桐は、Co2の吸収固定が早い木でもある。ここでは植林して5年で伐採、同社で加工して建材や造作家具に使用。加工時に出たパウダーから壁紙や糸をつくり、この収益からまた植林をおこなうという。これはサスティナブルな取組みであり、Co2の排出量をさまざまな手段で相殺し、排出量を実質ゼロとするカーボンニュートラルにもつながる。「桐の加工だけで考えていたら箱的なものから脱却できなかったが、粉にして紙にし、さらに繊維にすることで、できることが一気に開けた感じです」

>紙面からの続き

展示会を通じての異業種交流で
新たな「桐糸」の方向性を模索。


2020年10月と2021年3月に東京ビックサイトで開催された「国際アパレルエキスポ」展に出展。アパレルの展示会なので、まわりのブースはどこも洒落ていた。そこで「強烈にダサくすることで目立とう」と考えた留河氏。A4の紙に一文字ずつプリントした大きな説明文をベタベタと貼り付けたブースに、「桐糸マスク配布中」としたことで、初出展なのに驚くほど多くの集客を得た。終わってみれば約200社の名刺が集まり、数社でマスク販売や新たな商品づくりの話が立ち上がっている。これまで縁のなかった業種の人ともつながり、2度目は泉大津の3社と合同出展。桐糸目当てのお客さんでこれまた大盛況。桐糸に何が求められているかを集計し、後日、留河を含めて4社で対応先を振り分けて営業活動に入った。今後はアパレルメーカーのアイソトープを介して糸を販売するほか、カスガアパレルが桐糸でつくった生地を、SASAWASHIが帽子や靴下などをそれぞれ販売するという。「展示会が面白いのは、自分が想像もしなかったようなアイデアを提案されること。こんな使い方もあるんだと驚かされます」


株式会社留河
https://www.tomekawa.com/
岸和田市大町1-8-27
TEL 072-445-0775

桐製品をつくる段階で出るくず。これをパウダー状にして紙・糸、さらには繊維製品へと展開

桐の調湿効果で湿気を吸収する布を使用して、メガネがくもるわずらわしさから解放される「桐糸マスク」を開発

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