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MOBIO入居企業・常設展示場出展企業のスペシャルインタビュー

ものづくり中小企業の変革と挑戦を支援しているMOBIOでは、MOBIO 常設展示場出展企業様・インキュベートルームの入居企業様の「 変革と挑戦 」について、取り組みのきっかけ(背景)、 具体的な内容などをインタビューしご紹介していきます。ここにはヒントが沢山詰まっているはずです。 じっくりお読みください!

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ものづくりは“夢づくり”。社員みんなが、ドラえもんになろう。

有限会社森田製針所 代表取締役社長 森田 祐輔 氏

有限会社森田製針所
代表取締役社長 森田 祐輔 氏

会社名有限会社森田製針所
住所〒571-0034 大阪府門真市東田町23-24
電話番号06-6906-8686
代表者名代表取締役社長 森田 祐輔 氏
設立1947年(昭和22年)
事業内容針・ステンレスパイプ加工

90年かけて伝えられた技術を洗練し続ける

メリヤス針の模型

現在の主力商品の一つ・イオン放電針

創業大正10年、メリヤス編み針の製造から出発した森田製針所。針・ステンレスパイプの加工で業界トップクラスの技術を持つ同社の4代目が森田祐輔氏だ。

事業の礎となったメリヤス針の製造工程は多岐にわたり、潰す=プレス・曲げる・先端を絞るといった技術がひとつの針に集約されている
同社は時代の流れとともに、少しずつ事業の方向転換を図っていった。昭和30年代後半には、これまで蓄積した技術やノウハウを生かして、ステンレスのパイプの加工など他分野部門にも進出。中小企業が生き残るには、時代変化に対応した技術革新が求められるが、それを実践できたから今がある。

「新しい時代の活路としてステンレスのパイプに着目したのが40年前。当時は光ファイバーの保護管をつくり、前後して医療用の針も手がけ始めました」
最近では空気清浄機など家電製品に多く使われている放電針が同社の主力事業となっており、イオン発生量を左右する先鋭度 0.05mm以下という高精度を誇る。

ニッチな市場を掘り下げることで、新しい道を拓く

2016年3月竣工の新工場

強化された医療事業推進体制

医療関係など新しい時代の商品も積極的に開発している同社。「得意先からの“こういうことができないか?”との問い掛けにチャレンジした結果が、今に繋がっています」。

医療の世界と針は密接な関係にあるが、森田氏がここに狙いを定めたのは、別の理由があった。
「日本製商品はその品質はもちろん、信頼性・安全性の面で海外から高い評価を受けている。医療はまさにそこに高い基準が求められる世界。この業界の仕事をしていることが、当社にとって信用の証となるはず」。

また医療は景気に左右されない、安定性の高い業界でもある。そこを土台にしていれば、また新しいことにも挑戦し続けることができる。

(左)高品質を支える真空超音波洗浄機 (右)マイクロスコープなど備えた品質管理

同社がもっとも得意とする、スウェージング加工をはじめ、針・ステンレスパイプのあらゆる加工ニーズに、高品質で対応している

医療分野展示会で、医療機器メーカーへ独自の加工技術(スウェージング加工、細穴放電加工、レーザー溶接封止加工、内面鏡面研磨加工)を広くアピール。

「医療用の針というと真っ先に注射針が思い浮かびますが、そこはすでにシェアが確立されている。後発にあたる私たちが参入するためには、ニッチを狙うしかない」。それは医療現場における、使用するシーンが限定されたもの−−おもに手術用であったり、不妊治療用の長い針などだという。メリヤス針で培われた技術を継承し、進化されてきた同社ならではのアプローチだ。
「うちのように細くて長い針をつくれるところは極めて少ないので、勝算はありました」。グローバル市場で圧倒的なシェアをもつ中小企業の多くが、みずから市場を非常にニッチなものに限定することと、その分野における製品とサービスを徹底させることで、圧倒的な強みを築いている。森田氏もこの道を選択した。

40年ほど前から手がけている点滴用の針をはじめ、医療分野での実績は豊富だが、医療機器メーカーとの直取引はなかった。そこで2014年、MOBIOの協力で医療専門展『MEDIX』に参加。「広く会社をPRする目的は達成できたと思います。それと私たちが得意とする、細くて“長い”針は求められている、という手応えも実感できました。お客様のニーズと、私たちが進もうとしているベクトルは間違ってはいないと、確信できたのは大きかったです」

ものづくりは、できなかったことを叶える“夢づくり”

長年のノウハウをもとに自社開発した作業工程数を必要最小限に抑えた加工機

森田氏はまだ、35歳という若きリーダーだ。「ちょうど私が30歳の時が90周年で、40歳の時に百周年を迎えます。自分の節目と会社の周年が重なるんです」。代表取締役に就任して10年余。
ものづくりが好きな子どもだったという。「週に一度、祖父の家に遊びに行っていましたが、そこではゲームは禁止(笑)。割り箸と牛乳パック、輪ゴムやテープ、ハサミを渡されて、自分で考えて手を動かしなさいという考え方でした。それで割り箸鉄砲をつくったり。知らず知らずに影響は受けていたんでしょうね」。祖父はカリスマ的な存在であり、父は経営面で才能を発揮した。
「だからでしょうか、判断を求められる時は、祖父だったらどうやったか、父ならどう動くかを、無意識のうちに考えていますね」

数年後に迎える百周年に向けては、技術伝承のスピードアップを掲げる。「うちのいちばんの売りは、自社開発した加工機を用いている点。これは技術や知識、そして長年蓄積された経験があるからできること。ただ、それをつくれる職人が高齢化しており、技術を次の世代に伝えていくことが急務です」
「社員によく言うんですよ、“ドラえもんになれ”って(笑)。これまでできなかったことを可能にする、ものづくりは夢づくりです。だから、のび太のお願いを何でも叶えてくれる、ドラえもんのように、あきらめずに挑戦することで道は開けると思うんです」

MOBIO担当者より

細いパイプを絞りに絞る。不妊治療からダニ退治にまで使用されている極細パイプは、100年近い製造と品質管理の実績が生かされたもの。新規分野での思いもよらぬ要望にも断らず「ごそごそしてみる」という森田社長命名の「ドラえもん」精神が生かされていました。(兒玉)

取材日:2016年6月16日(木) ライター:町田 佳子

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