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MOBIO入居企業・常設展示場出展企業のスペシャルインタビュー

ものづくり中小企業の変革と挑戦を支援しているMOBIOでは、MOBIO 常設展示場出展企業様・インキュベートルームの入居企業様の「 変革と挑戦 」について、取り組みのきっかけ(背景)、 具体的な内容などをインタビューしご紹介していきます。ここにはヒントが沢山詰まっているはずです。 じっくりお読みください!

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視界全体の快適性創造をテーマに事業拡大に取り組む

山本光学株式会社 代表取締役 山本 直之 氏

山本光学株式会社
代表取締役 山本 直之 氏

会社名山本光学株式会社
住所〒 577-0056 大阪府東大阪市長堂3-25-8
電話番号06-6783-0232
代表者名代表取締役 山本 直之 氏
設立1935年(昭和10年)/創業1911年(明治44年)
事業内容スポーツ用品・眼鏡・サングラス・光学機器・バイクヘルメット、産業用保護具の製造販売

スポーツ愛好家の間で絶大な人気を誇るSWANSブランド

▲戦時中は軍需工場に指定され戦闘機乗りの航空眼鏡なども生産していた。当時をしのばせるアンティークな時代もののゴーグルが今も残っている

▲今や当たり前になったスポーツサングラスも、市場を開拓するのに10年以上かかった

SWANSブランドで有名な山本光学。スキーやスイミングなどのゴーグルをはじめ、スポーツサングラスのトップブランドとして、スポーツ愛好家の間では絶大な人気を誇っている。とりわけ、スイミングゴーグルの国内市場では6割近くのシェアを持ち、同社の屋台骨を支えるベストセラー商品となっている。

4代目社長の山本氏に、山本光学の「変革と挑戦」の歴史をうかがった。
「私の曽祖父である創業者は、防塵眼鏡のガラスを磨く職人だったのですが、もっと快適な製品を提供したいと思いたち、眼鏡全体をつくるようになりました。それが産業用眼鏡製造業へ乗り出したきっかけです。2代目社長の祖父は、戦後食糧難の時代に、セルロイドでつくったスワン印のスイミングゴーグルを開発し、潜水漁をする人たちに大いに喜ばれました。SWANSのスイミングゴーグルとブランドネームの原点が、この時に誕生したわけです。3代目社長の父は、スキーゴーグルの製造販売に乗り出すことで、会社に変革を与えました。国産品は二流品というイメージが定着していた時代に、海外製品より機能面で優れた防曇スキーゴーグルを開発し、ネガティブな評価を覆していったのです」

その後、スキーゴーグルを主力とする時代が続いたが、スキー人口の減少とともに、事業構造の転換を迫られることに―。

「1992年のバルセロナ五輪に際して、日本陸連からマラソン選手用のサングラスの製作依頼が来ました。この時はまだ、スポーツサングラス市場はなかったのですが、これは次の主力商品に育つかもしれないと予見して、事業の軸足を移していったのです」

その後、10年ほど時間はかかったが、スポーツサングラスは市民権を得るに至る。現在では、ゴルフ、野球、釣り、自転車、ランニングなど多様なスポーツシーンで、SWANSのスポーツサングラスは普及している。

視界全体の快適性の創造をテーマに事業を拡大

▲作業者をフューム等の粉じんから護る溶接用の「電動ファン付き呼吸用保護具」は、その安全性が認められている

創業100周年を迎えた2011年に4代目社長に就任した時、山本氏は社員に対して、未来に向けてのビジョンを語った。
「創業100年の歴史は我社の誇りだが、ゴールではない。次の100年に向けて、変えること・変えないことを明確にし、ブレない軸を定めて、『眼の安全を守る』という市場ニーズにマッチした変革を続けていきたいと所信表明しました」

直後に発売したスイミングゴーグルの新製品は、従来品の4倍長持ちする防曇効果が受けてヒット商品となり、社長就任後のスタートダッシュにも弾みがついた。山本氏は、「『快適な視界の確保』というテーマをつきつめていく過程で、ユーザーに支持される新製品が生まれるのです」と、同社のものづくりの伝統を強調する。

創業以来の事業テーマは「眼の安全を守る」こと。そのため、売上の4割を占める産業用の安全衛生保護具や呼吸用保護具の製品開発にも力を入れている。例えば、フィルターでろ過された新鮮な空気を面体に送り込み、作業者をフューム等の粉じんから護る溶接用の「電動ファン付き呼吸用保護具」は、その安全性が認められている。

「眼だけにとらわれず、視界全体の快適性創造をテーマに、周辺市場も取り込んで事業を広げていくのがこれからの戦略。経済発展が続いているアジアでも、安全文化を発信していきたいと考えています」
アジア圏では、スポーツ用品市場でもSWANSの人気は高い。

「スポーツサングラスは、顔のシルエットに沿ったハイカーブレンズが特長。SWANSは、アジア人の骨格にマッチした製品ですので、欧米ブランドより人気があります。アジアの成長性を見越して、今後さらに海外販売にも力を入れていくつもりです」

現場主義でユーザーとともにSWANSブランドを育てていきたい

▲スノーゴーグル、スイミングゴーグル、スポーツサングラスなどSWANSの商品はバリエーションが豊富だ

▲石川遼選手をはじめ、トップアスリートが愛用するSWANSのスポーツサングラス

山本氏のブランド育成哲学は徹底した現場主義にある。媒体などに費用をかけてイメージ発信をするよりも、スポーツイベントの現場に参加してユーザーと直にふれあい、生の声を聞く方が有益と考えるからだ。「コミュニケーションをとりながら、お客様とともにブランドを育てていくのがSWANS流です」と考え方も明快だ。

プロ選手との契約もイメージ発信だけが目的ではない。
「石川遼君は弊社のサングラスに対して、もっとホールド感を強くしてほしい、重さはこれくらいでといった改善点を指摘してくれるとてもクレバーなプロ選手。SWANSブランドが信頼されるのは、こうしたコアなユーザーたちの声を製品改良に反映しているからなのです」

山本光学にとって五輪は、市場活性化や新商品開発のきっかけをもたらしてくれるビッグイベントだけに、2020年の東京五輪に寄せる期待はいつもより大きい。

「市場拡大とブランドアピールのチャンスですので、スポーツサングラスの次のスター商品となるような新製品開発に鋭意取り組んでいます。内容は秘密です(笑)。6年後をお楽しみに」

時代に先駆けて、新たな市場を開拓してきたSWANSが、次はどんな新製品を送り出してくれるのか、大いに期待しておきたい――

MOBIO担当者より

スポーツでも産業でも、安全・快適な視界確保は必須条件。 そこで創造されたのが山本光学さんの製品「曇らない」サングラスやゴーグル。100年企業となった今も、その市場ニーズ把握努力は健在。2020年のオリンピックなど 山本社長は新たな挑戦テーマを掲げて邁進されていました。 (兒玉)

取材日:2014年11月27日(木) ライター:三浪 伸夫

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