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MOBIO入居企業・常設展示場出展企業のスペシャルインタビュー

ものづくり中小企業の変革と挑戦を支援しているMOBIOでは、MOBIO 常設展示場出展企業様・インキュベートルームの入居企業様の「 変革と挑戦 」について、取り組みのきっかけ(背景)、 具体的な内容などをインタビューしご紹介していきます。ここにはヒントが沢山詰まっているはずです。 じっくりお読みください!

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資格検定による従業員の能力開発で企業力を高める

株式会社岡本製作所 代表取締役 東口 勝紀 氏

株式会社岡本製作所
代表取締役 東口 勝紀 氏

会社名株式会社岡本製作所
住所〒578-0932 大阪府東大阪市玉串町東3丁目5番18号
電話番号072-961-1234
代表者名代表取締役 東口 勝紀 氏
設立1958年(昭和33年)
事業内容切削加工による真鍮・ステンレス製精密部品(ガス器具・水栓器具部品、自動車部品、精密機器部品等)の製造

真鍮の切削精密部品では業界トップクラスの評価

昭和33年(1958年)に岡本健三郎氏(現会長)が創業した株式会社岡本製作所は、来年で創業55周年を迎える。2010年に2代目社長に就任した東口氏が「切削加工一筋」というように、「挽物による精密加工分野ではどこにも負けない」という強い自負を全従業員が持っている。精密部品から径200ミリくらいまでのサイズで、素材はステンレスや銅などなんでも扱うが、とりわけ真鍮(黄銅・銅合金)素材の加工を得意分野としてきた。

「創業当時から、真鍮素材によるガス器具・水栓器具部品の製造が売上全体の約8割を占めてきましたが、近年、自動車や映像機器、住宅設備など異業種からの引き合いが増え、今では全体の4割が新たな業種で占められています」と東口氏は説明する。

高いレベルの品質管理が求められる、自動車部品などの異業種に参入できた秘訣を東口氏にたずねると 、
「もちろん地道な営業活動の積み重ねの結果ですが、それに加えて、素材メーカーや材料屋さんからの紹介も大きな取引につながっています」との答えが。取引先の口コミや紹介で、次々に新たな顧客が増えるところを見ても、「真鍮の切削精密部品では質量ともに挽物業界トップクラス」と評価される同社の実力のほどがうかがえる。

最新の設備投資で生産性の向上とコストダウンを実現

工場で活躍するNC機

リーマン・ショック以後、コストダウンを求める顧客ニーズにいかに対応できるかが、大命題となってきた。そこで同社では、そうした顧客ニーズに対応するため、生産性を向上させる積極的な設備投資を行なってきた。

その代表が、ロボットを組み合わせたNC複合旋盤による24時間生産体制である。1度プログラムすればバイト(切削工具)の交換・調整時以外は無人で操業を続けるので、究極のコスト削減策といえる。

もうひとつが、多軸自動盤による生産性の向上である。自動盤は加工形状に制約は受けるものの、生産能力は圧倒的に高い。同社では6軸自動盤を12台導入してフル活用している。単軸旋盤なら6工程かかる加工が1工程で済み、しかも自動運転なので、ここでも大きなコストダウンが図れるわけだ。

特に最新鋭の設備投資は、主として八尾工場で実施してきた。同工場をNCやマシニングセンタなどの電子化拠点と位置づけ、24時間操業も行なっている。一方の本社工場は、創業以来の機械設備や自動盤、一部NCなどを備えた製造拠点として稼働している。

切削加工会社として自社の強みを東口氏は、「精密加工技術力と品質力の2点」と分析する。加工技術というと一般的には、ベテラン職工による職人技といったイメージが強いが、同社の従業員平均年令は30代前半と若い。それでも、主力の生産設備がNCを始めとするコンピュータ制御機器なので、昔ほど“熟練”という言葉が重みを持つことはない。

それでも東口氏は、「ものづくりに対する姿勢の大切さは、今も昔も変わりはない」と強調する。
「どんなに加工設備が進化しても、ものづくりをする人の“感性”が最も重要です。製品の出来栄えを見て、こんなものでいいだろうと満足するか、もっと良いものをつくりたいとさらなる高みを目指すか、その人の取り組み姿勢次第で技術力はいくらでも伸びます」。

検定制度を活用して社員の能力と意欲を開発

技能検定2級 数値制御旋盤作業の課題作品。これを5時間半以内に図面から製作する

デジタル保存された検品データは全てトレースが可能

もうひとつの品質力については、「設備も重要だが、それ以上に人の力、個人の管理能力が問われる」と東口氏は言う。そのため同社では、従業員の能力やスキルを高めることを目的に、QC検定(日本規格協会主催)と技能検定(国家検定制度)を受けることを積極的に奨励している。こうした人材の能力開発による企業力の向上が、同社が10年以上前から取り組んできた「変革と挑戦」にほかならない。

QC検定に必要な知識を身に付けることは、製造現場から製品検査に至るまで、実践に役立つ能力を向上させることになり、同社の強みである「品質力」をさらに伸ばすことにつながる。今では検定に合格した資格保有者は、全従業員100名のうち20%を超えるまでになった。また、技能検定の機械加工では数値制御旋盤作業の部門で、2級技能士が2名誕生している。

こうした検定制度を活用した「変革と挑戦」は、社員の能力向上と仕事に対するモチベーションアップという成果となって着実に現れている。「社員が自発的に勉強をするようになり、データの扱い方やトレーサビリティへの対応など、品質管理のレベルが着実に高まっています。また技能士の有資格者になると、取引先から難しい図面発注があっても尻込みせず、絶対やってみせるという自信やプライドを持つようになってくれました」。

「品質力で新しい価値を提供する企業」をスローガンに掲げる同社では、今後の目標として「さらに付加価値の高い、1点ものの市場を開拓したい」と意欲的だ。そのために、経済産業省の平成24年度「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」に応募し、見事に補助対象企業に採択された。自らも3級技能士の資格を持つ技術者出身の東口氏は、「この補助金を使って最新鋭の5軸制御加工機を導入して、こんなものまでつくれますという試作品を多数用意し、こちらから提案をする新たな営業スタイルを確立したい」と目を輝かせる。チャレンジ精神で切削加工の可能性を広げる、同社の今後の取り組みに注目したい。

MOBIO担当者より

難切削材の高度加工技術力で自動車向けなどガス機器以外の新販路拡大された岡本製作所様。精密加工、高品質訴求の岡本イズムを推進するのは人。技能検定など第三者評価も取り込んだ意識改革を進めておられる東口社長の強い思いがあると見えました。(担当:兒玉)

取材日:2013年6月20日(木) ライター:三浪伸夫

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