MOBIO入居企業・常設展示場出展企業のスペシャルインタビュー

ものづくり中小企業の変革と挑戦を支援しているMOBIOでは、MOBIO 常設展示場出展企業様・インキュベートルームの入居企業様の「 変革と挑戦 」について、取り組みのきっかけ(背景)、 具体的な内容などをインタビューしご紹介していきます。ここにはヒントが沢山詰まっているはずです。 じっくりお読みください!

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情報処理技術でものづくり企業の課題解決に貢献したい

有限会社デジタル・マイスター 代表取締役 藤川 昌浩 氏

有限会社デジタル・マイスター
代表取締役 藤川 昌浩 氏

会社名有限会社デジタル・マイスター
住所大阪市東淀川区西淡路3-3-36-405
電話番号083-972-2333
代表者名代表取締役 藤川 昌浩 氏
設立2002年
事業内容企業向けソフトウェアの企画・開発、eラーニングの企画・開発・導入支援

めざしているのは顧客満足、社会への貢献、従業員のやりがい

情報処理学会にも参加。2011年には優秀な発表に授与される白鳥賞を受賞

山口大学とはその後もいくつかの共同研究を実施

長年、様々な情報通信分野で技術・経験を培ってきたメンバーを集め、2002年に創業した有限会社デジタル・マイスター。代表取締役の藤川昌浩氏は、会社設立の思いを「顧客の希望や自分のやりたいことを、他者から制約されずに実現したかったから」と語る。
その第一歩として取り組んだのが、自身が興味のあったeラーニングの性能評価だ。山口大学に「一緒にやりませんか?」と直談判に行き、コンテンツの良し悪しや、実際にeラーニングを受講した人がどれだけスキルアップしたのか等を評価するシステム作りを行った。「それなりの結果は出せたし、ここで使った統計処理のしくみは今後もいろいろなところで役立つに違いありません」と藤川氏は満足げに微笑む。
同社では、「三方良し(買手良し、売手良し、世間良し)」を経営理念に掲げている。そこには、顧客の満足、社会への貢献、それに従業員にとってもやりがいのある会社をつくりたいという想いが込められている。人材教育の基本はOJT。自主性を尊重しつつ、改善点はもちろん指摘するが、うまくできたときは褒めることも忘れない。社長ともども大学の社会人向けコースを受講してスキルアップをめざしたり、週1回の社内ミーティングでは新しい技術について調べたこと、社外研修の報告、趣味の話等、持ち回りで話題提供を行って、資料作成やプレゼン能力の向上を図っている。その結果、得意先からは「安心して任せられる」との評価が得られているという。

問題を見つけ出すところからお手伝い

現在、企業向けのソフトウェア開発を事業の中心としている同社の強みは、要件分析および要件定義を得意としていること。社内業務の中で問題点を見つけ出したり、顧客が求めているものは何なのかを探り、相手にとって本当に必要なものを提案する。システムが完成したとき、「これこそまさに当社が求めていたものです!」と喜んでもらえることが何よりのやりがいなのだそう。
具体的な事例をあげると、派遣会社に登録している派遣スタッフの勤怠シートを、従来の紙ベースからスマートホンや携帯電話で記録・送信できるようにして、デジタルで管理できるシステムを開発。これによって膨大な数のシートを集計する作業がグンと簡略化され、派遣会社の社員の残業時間を減少させるとともに、離職率低下へとつなげることができた。また、派遣スタッフの勤怠状況を日々確認できるので、問題にいち早く気づいて対応するなどクレーム対策にも役立っている。
「例えばMOBIOに出展しているものづくり企業さんに対しても、工程管理や在庫管理などの面で今抱えておられる課題を解決したり、情報処理の技術を使って効率化を図るお手伝いができるのではないかと考えています。何かを変える必要性は感じているけど、どこに問題があるのかわからないといった経営者様もいる。私どもは徹底的にヒアリングして問題点を見つけ出し、それを解決する方法を提案することをモットーとしているので、今後は問題意識を持ったものづくり企業のかたがたと活発に交流していきたい」と藤川氏。効率のよい職場環境づくりをめざすなら、ぜひデジタル・マイスターに相談してみてはいかがだろうか。

問題解決のお手伝いは丁寧なヒアリングから

AI技術を活かし医療・福祉・ヘルスケア分野にも参入

スマホやタブレットと連携して計測結果を表示できるストレスレベル評価装置

これから先、特に力を発揮していきたい分野として、藤川氏は医療・福祉・ヘルスケアの分野をあげる。「この3分野は今後の社会にさらに必要とされる領域。我々が大学で学びスキルアップをめざしているAI技術も、存分に活用できるはず」という。
これらの分野に参入するきっかけとなった「ストレスレベル評価装置」は、同社で初めてのハードウェアを含むシステムだ。腕時計サイズの小型軽量計測器で、心電図と脈波を計測し血圧を推定するとともに、ストレスレベルが評価できる。計測したデータはクラウドで蓄積・分析し、アドバイス等を提供することでヘルスケアに役立てようというものである。
さらに医療の分野では、大きな手術後に起こりやすいせん妄(意識精神障害の一種)の兆候をとらえ、看護師にアラームで通知する「せん妄リスクスクリーニング装置」を開発。こちらは特許も取得していて、現在、普及に向けて改良を加え、よりよい形での実用化が期待されている。
そのほか、リモートワークが増えている現在の社会情勢にも対応し、会社にかかってきた電話を別の場所で受けたり、そのまま担当者に仲介転送できる電話システムの紹介を開始したという。他の通信会社のサービスとの大きな違いは、自社内にサーバを置いて運用できるので、データを外部に預ける必要がなく安全に利用できる点。すでに数社から問い合わせがきているとのことで、ニーズの高まりが感じられる。
「私たちは情報処理の技術を使って社会のお役に立ちたいという想いで仕事をしていますが、デジタルには正の面もあれば負の面もあります。いいところばかりに目を向けるのではなく、負の面もきちんととらえた上で、うまい使い方を見極め、よりよいシステムを提案できる会社でありたい」(藤川氏)。ものづくり企業とのタッグを含め、今後の展開が楽しみだ。


リモートワークでの電話転送システム

MOBIO担当者より

ソフトウェア開発からAI技術をも活かしたシステムの構築へ、まさに時代の流れに先駆けたシステムの開発・導入を進めてこられ藤川社長。
「社会に役立つ」を第一義として、精鋭社員スタッフとの強力なチーム力とチャレンジ精神で、今後とも時流の先を睨んだ、よりよいシステム開発が期待されます。(MOBIO村井)

2021年6月9日(水) ライター:成田知子