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MOBIO入居企業・常設展示場出展企業のスペシャルインタビュー

ものづくり中小企業の変革と挑戦を支援しているMOBIOでは、MOBIO 常設展示場出展企業様・インキュベートルームの入居企業様の「 変革と挑戦 」について、取り組みのきっかけ(背景)、 具体的な内容などをインタビューしご紹介していきます。ここにはヒントが沢山詰まっているはずです。 じっくりお読みください!

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信頼できるものづくりによって、さらに付加価値の高い商品へ

マイクロ・ビークル・ラボ株式会社 代表取締役 松尾 博 氏

マイクロ・ビークル・ラボ株式会社
代表取締役 松尾 博 氏

会社名マイクロ・ビークル・ラボ株式会社
住所〒550-0001 大阪府大阪市西区土佐堀3丁目3-2-1502
電話番号06-6225-5398
代表者名代表取締役 松尾 博 氏
設立2005年(平成17年)
事業内容リチウムイオン電池の販売、リチウムイオン電池モジュール(組電池)の製造・販売、電動車両の販売・開発業務の受託、蓄電技術に関するコンサルティング

企業の製品開発をサポートする陰の立役者

▲リチウムイオン電池の保護回路

携帯電話やノートパソコンをはじめ、電気自動車の電源として活用されるリチウムイオン電池。マイクロ・ビークル・ラボでは、このリチウムイオン電池単体をもとに、要望に応じた組電池の設計や製作、さらに電池に付随する保護回路などの開発を受託し企業の研究開発をサポートしている。特に組電池の1台単位からの受注は珍しく、大手企業にはないフレキシブルな対応は業界内でも稀有な存在として注目を集める。

代表取締役の松尾氏は、もともと大手企業の研究所で受託研究に携わっていた元研究者である。2003年以降リチウムイオン電池の開発に携わったことを機に「これからの高齢化社会に向けて、電気スクーターや電動車イス、小型電動車など、環境と高齢者に優しい未来の乗り物の開発を支援したい」と2005年にマイクロ・ビークル・ラボを起業。現在は、研究者時代に培った高い知識と技術により商品の設計段階から企画に関わっている。

一般的に高価なリチウムイオン電池はコスト面の問題から商品化が難しいのが現状だ。しかしマイクロ・ビークル・ラボにおいては、少量からでも受注を可能にする上、知識に裏付けされた高度なものづくりを強みとして、起業以来高品質なものづくりを提供している。

『安い』という理由だけではいずれ流されてしまう

▲ 多数の研究論文を執筆

業界全体の大きな課題でもあるリチウムイオン電池のコスト面について、マイクロ・ビークル・ラボでは起業当初、人件費の安い韓国へ、続いて中国へと工場を移転しながらOEM生産を行ってきた。しかし2008年、リーマンショックの影響を受けて仕入れ先の工場が倒産。供給源を失った上、大手取引先の自動車業界も同じくリーマンショックによって業績が低迷し売上が急激にダウンした。さらに電池業界では2005年頃から、低コストでの無理な設計によって製品不良が相次ぎ、リチウムイオン電池への信頼そのものが失われつつあった。

こうした先行きの見えない状況の中、同社では低コストが可能な海外企業から日本企業との提携へとシフトチェンジ。
「『安い』という理由だけで選ばれる商品はいずれもっと安い商品が出てくれば流されてしまいます。だから多少コストがかかっても顔と顔を突き合わせて安全で信頼できる、“目の届くところでものづくり”が可能な日本製にこだわりたい。そして付加価値をつけて、より高品質な商品として世に出そうと考えました」。

またその一方で、松尾氏は今後のリスク回避のためには自ら市場を創出することが必要だと考え、新たなものの見方を身に着けようと福井大学へ入学。社会人ドクターとして3年間在籍して工学博士を取得し、その知見をかわれて、国のプロジェクトである湖を汚染しない環境にやさしい電気駆動船舶の開発にも参画した。

単に“売れるもの”ではなく、安全で環境に良い電池を

▲安全第一に設計した保護回路とリチウムイオン電池を搭載するテスト車両

現在マイクロ・ビークル・ラボでは、国内の大手企業や大学と提携。国の補助金を受けながら産業用の高容量ハイブリッド電池の開発に努めている。今後はリチウムイオン電池に限らず、次世代パワーと呼ばれる新素材電源開発、電池周辺機器の開発やスマートグリッドと呼ばれる電気の有効利用にも取り組み、ますます事業の広がりを見せる予定だ。

こうした大手企業からの受注について、「福井大学で『工学博士』を取得したことにより自社のブランド力が高まり、大手企業からの受注につながっています」と松尾氏。同社では他にも、講演活動や専門書への原稿掲載、また毎年東京ビックサイトで開催される『国際二次電池展』への出展など、多角的なパブリッシングによって、安全で高品質なものづくりへの考え方を広く発信している。普通ならば直接取引を許さないセルメーカーから、組電池の材料となるセルを直接取り寄せられるのも、こうした安全面に対する同社の真摯な姿勢が深く理解されている所以だろう。

松尾氏は、「単に商品がたくさん売れればいいということではなく、安全で環境に良い電池を作って開発企業をサポートしたい」と語る。

目先の売上ではなく、信頼できるものづくりの追及。安全で高品質なリチウムイオン電池システムの中に、同社のものづくり精神が宿っている。

MOBIO担当者より

「挑戦は失敗が大半。目的達成まで継続することが成功の秘訣」との信念は研究所・大学で体得されたもの。充電池使用時の安全性向上を図るだけでなく、パワー半導体という新素材研究へとドクター松尾のあくなき挑戦は続いていました。(兒玉)

取材日:2014年6月19日(木) ライター:竹田 亮子

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