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MOBIO入居企業・常設展示場出展企業のスペシャルインタビュー

ものづくり中小企業の変革と挑戦を支援しているMOBIOでは、MOBIO 常設展示場出展企業様・インキュベートルームの入居企業様の「 変革と挑戦 」について、取り組みのきっかけ(背景)、 具体的な内容などをインタビューしご紹介していきます。ここにはヒントが沢山詰まっているはずです。 じっくりお読みください!

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高度な5軸加工技術に基づく“こだわり試作”で、設計者の夢を叶え続ける。

株式会社井上模型製作所 代表取締役 井上 佳宣 氏

株式会社井上模型製作所
代表取締役 井上 佳宣 氏

会社名株式会社井上模型製作所
住所大阪府大阪市北区本庄西3-7-1
電話番号06-6131-5698
代表者名代表取締役 井上 佳宣 氏
設立1980年
事業内容小ロット部品加工、試作品、ワーキングモデル作成、加工素材:アルミ、樹脂、真鍮、ADC12、ZDC2など

熟練の技術者・最新の5軸加工設備の充実・若手人材の育成の3つが高度な加工を生み出す土台。

5軸加工設備

1971年の創業から、金属・樹脂に関する試作品加工をメイン事業として、他にも小ロットでの部品加工を行っている井上模型製作所。特にものづくりの第一歩となる試作品加工においては、ロケット部品や電気自動車の部品、人工心臓の部品など、最先端かつ高度な加工技術を要するものから、楽器の部品やおもちゃのパーツまで、実に多彩な製品を手がけている。
「私たち井上模型製作所の役割は、“設計者の夢を形にすること”だと思っています。そのために当社では、工程設計から加工まで一貫してできる人材を揃えており、技術面では、5軸加工技術や三次元アルミ加工技術を有しています。もちろん高度な加工に欠かせない、設備の充実や技術者育成にも取り組んでいますよ」とは、井上佳宣社長。
同社の大きな強みである5軸加工の技術力は、大きくは3つの要素で成り立っている。一つは、熟練の技を持った技術者が多く在籍していること、2つ目は、CAD/CAMが30台あり、使える人材は13人。つまり高度な5軸加工を上手に操作できる体制を整えていること、そして3つめは、技術者育成に常に取り組んでいることだ。
これら人・設備・教育の全てを整えていることが、5軸加工技術において、競合する他社との違いを生み出していると言えるだろう。
実際に高度な技術を求められる航空機分野や宇宙開発、電気自動車分野、医療分野の大手企業から、直接新製品開発を共に担うパートナーとして選ばれることがほとんどということからも、その技術力の高さがうかがえる。

今までのやり方を精査し、仕事の仕方の改善、技術・ノウハウ共有の仕組みづくりにチャレンジ。

精密な加工の要となる3軸加工設備が社内には多数揃う

最新の3次元測定器により、品質管理も徹底している

現在、2代目となる井上社長が、会社を継承したのが約5年前。祖父は木型屋で、創業者は父。現在会長を務める父がつくりあげてきた揺るぎない技術力と設備環境を継続し、会社をいかに次代につなげていくかを、就任当初から模索してきたという。
そもそも井上社長自身は、建築業で働いた後、26歳で同社に入社。3年間加工現場で経験を積み、父の技術に対する熱い思いや徹底してこだわり抜く姿勢を見て、自社の技術の特性や強みを深く胸に刻み込んだ。その後、10年近くは営業として顧客のニーズを拾いあげることに従事。その中で、同社が試作品製作分野において、生き残っていく上で必要なことは何か?を見つめ続けてきた。そして社長になって、改善策を実行に移しはじめる。
「社長になって意識したのは、これまでお客様から評価いただいている当社の技術力やノウハウにさらなる磨きをかけていくこと。また時代の変化、業界の変化に対応して、業務効率化の仕組みや品質管理手法の確立、そして人材育成に力を入れて、新人を早期に一人前にし、より多くのお客様の要望に応えられる体制をつくることでした」。
井上社長は、就任早々、改善委員会や品質向上委員会、安全委員会などを立ち上げた他、ISO9001の取得にも挑戦。業務改革の面では、社内にサーバを導入して、見積から受注、工程、技術情報などを蓄積し、誰もがデータを共有できることで、業務の効率化やスピード化を実現した。
さらに細かな部分では、技術者ごとにバラバラだったパソコン内ファイルの扱い方を2年かけて統一するなど、仕事のやり方を交通整理し、誰もが同じやり方でできるよう徹底。
これら数々の取り組みは、ある意味、情報、ナレッジ、ノウハウの3S、5S活動とも言えるもの。従来の仕組みそのものを大胆に変革したことで、業務効率化に加えて、若手への技術伝承がしやすい環境構築にもつながったという。

これからも技術者を育て続け、世界レベルの技術を持つ“こだわり試作会社”をめざす!

熟練した技術者と最新設備の融合が同社技術を支える

熟練した技術者と最新設備の融合が同社技術を支える

井上社長による様々な社内変革が定着した今は、人材育成に力を入れているという同社。中でも、入社直後に最新の5軸用CAD/CAMを全員に配備し、新人の内から最新の機器を使って、修練できるのは、30人規模の会社や多くの技術会社では珍しいこと。多くの場合、入社数年後、もしくはある程度熟達し、その作業が任せられるようになってから、高度な機器や最先端設備を使えるようになるのがほとんどという中、新卒社員から最先端機器に触れられることによる、成長スピードの差は他社と比べて歴然。実際に同社では、新人の即戦力化が早く、若手でもほぼ全員が5軸用CAD/CAMを使える。そのため、顧客から寄せられる多くのニーズに、スピーディに応えられる体制ができあがっており、今後の事業拡大も期待できるそうだ。
そんな同社が今後のビジョンとして掲げているのが、“世界最高クラスの加工技術を有する会社になる”こと。
「今後当社が目標とするのは、世界レベルを常に意識しながら前進し、多くの企業のものづくりや設計者の夢や思いを実現するベストパートナーとして貢献することです。そのためにも、会社を担う新人を育てていくことは、今後も大事だと思っています」と、「ものづくり大好き人間」をポリシーとする井上社長の、未来にかける思いは尽きない。

MOBIO担当者より

“徹底したものづくりへのこだわり”のDNAを受け継いだ井上社長。多種多様な業種・製品の試作加工が、技術の蓄積に繋がり、この熟練の技(アナログ)と最新5軸用CAD/CAMを使いこなすこと(デジタル)との融合が、「設計者の夢を形にすることが当社の役割である」と熱く語っていただきました。
若い人材の育成にも積極的に取り組み、世界最高レベルの加工技術を目指して、激しく変動するこの時代に、たゆまない挑戦と的確な変革に臨んだ会社経営に努め続けておられました。(村井)

取材日:2018年9月5日(木) ライター:北川学(文士舎)

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